東京都は2日、新型コロナウイルス対策に関する専門家を交えた会議を開いた。その後、専門家の1人の国立国際医療研究センター病院・国際感染症センター長の大曲貴夫氏は、1日までの都内の感染者動向を説明したうえで、いまの状態が続くと4週間後には感染経路不明の新規陽性者が1日当たりの6倍(160人)に上ると説明した。
大曲氏は「7月1日時点の新規陽性者における接触歴が不明の方の数が27.1人(7日間平均)、(前週との)増加比が158%。この状況で変化なく増えていくと4週間後にはリンク(感染経路)が追えない新規の陽性者が1日当たり6倍に増える。具体的に言うと160人。それが10日続けば1600人の新入院患者が生じる。さらに4週間同じ状況が続くと、元々から計算すると40倍になる。かなりの数だ」と訴えた。 記者から「いまのまま行くと、いつごろ医療体制がひっ迫するのか」と質問が出ると、「正直見えにくい」としつつも「分かりやすい言い方をすれば、例えば、4週間後の6倍160人という数。このペースだと6日で960人。いま都が準備している病床が1000床なので、それくらいのペースで病床は埋まっていく」と語った。一方、3月4月に比べると、PCR検査、病床、救急車など医療体制が良くなっていると指摘し「その中でどのくらい負荷がかかるのかはもうちょっと見ていかないと分からない」と述べた。 会見には東京都医師会の猪口正孝副会長も同席。猪口氏は、5月2日以来の100人越えとなった2日の新規感染者について「20代30代の若年層が70%くらい」と説明。そして「これが50歳60歳以上になると重症化率が高くなり、入院に対する需要がぐっと増してくると思う。いまの数字がそのまま倍数化していくだけでなくて、その患者の年齢層が変わってくるだけで、かなり大きく医療の需要が変わってくる。このまま広がっていくと若年層だけでは収まらなくなってくる。そうするとかなり(医療体制の負荷に)スピードがついてくる可能性があると思う」と語った。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース